つまさき

もっとあたしを見て欲しかった。
もっとあなたを見せて欲しかった。

貴方に追いつきたくて
貴方に認めてもらいたかった。

つま先立ちで背伸びして
必死で貴方をおいかけた。

貴方は気付いてくれない
貴方はあたしを見てくれない。

背伸びしていたつまさきが
ひりひり痛んで涙が落ちる。

あたしを見て欲しかった
ただ、隣で笑っていたかった。

つまさき立ちのあたしの足じゃ
貴方には追いつけなかったんだ。

貴方は振り返ってくれない。
もっと一緒にいたかった。
ずっと一緒にいたかった。

つまさきが痛んで
上手く歩けないの
声をあげて貴方を呼んでも
貴方は気付かないフリをしたんだ。

泣き叫べば振り返ってくれると
勘違いしていたあたしはやっぱり子供で

貴方のことをわかっていなかったんだって
必死で自分を押し込めた。

背伸びしていたつまさきは
ヒリヒリ痛いままだけど
手を差し伸べてくれる貴方はいないから

一人で立たなきゃいけないんだ。